中国ネットのボトルネック問題について

こんにちは、chujiangleiです。
最近、中国の大きなマーケットを求め、多くの企業が進出を狙っています。中国現地でネットを利用し、ビジネスを展開するケースも少なくないです。
その中にはネット回線の速度低下の原因で失敗したケースもあります。よく言われる原因は下記の4点があります。
1.最も重要な原因はネットワーク人口が多く、平均アクセス数が高いです。
2.ブロードバンド化の進捗が遅く、ADSLがネット接続のメインとなっています。
3.通信キャリアー間の回線が細く、クライアント端末の間の接続に影響します。
4.金盾(きんじゅん)というインターネット通信を検閲するシステムが存在すること。

中国では多くの場所でボトルネック問題が存在します。それも回線速度低下の一因となっています。
ここで、中国ネットのボトルネック問題について説明させていただきます。

海外接続のボトルネック問題

@thewomble_za さんがBingマップ+WiKi情報を利用して海底ケーブル分布図を提供してくれました。
ここで、海底ケーブルの分布を通して中国のボトルネック問題を少し話したいと思います。
まず、世界海底ケーブルは下記の図のように分布しております。

中国の場合は、どうなっているかを調べてみました。

ネット接点を少し拡大してみるとー

赤い枠のところは中国と海外に繋がっている接点です。海外からのアクセスはこの4つの接点を経由して中国の内陸都市に接続していきます。
その現状により、ボトルネック問題は発生しております。イメージが湧かないかもしれませんが、
下記の図は日本中部だけのネット接点を示します。全部で9個あります。
日本の状況と比べると、中国のネット接点がかなり少ないことがわかりました。

中国のネット人口は4.57億人(CNNIC調査データ)です。ネット人口が多いのとネット接点不足との間に、ボトルネック問題が存在しております。
ここの問題を早く解決しないと、中国のサイトはだんだん遅くなってきます。

中国国内接続のボトルネック問題

CNNIC 調査データにより、中国の各都道府県のネット速度の現状がわかりました。
本調査は、各時間帯で国内の各都市から、国内の20サイトにサクセスするテストを行いました。中国全国の平均速度は100.9kb/sです。

北京、上海などの中心都市は意外と13位、31位の低い速度になっています。
その中、北京、上海では、ブロードバンド化が普及しています。すべて2M以上になりました。
なぜ、ブロードバンド化が普及しましたのに、回線速度が高くならないか。
CNNIC は回線速度低下の問題をめぐって北京、上海のIDCを調査しました。原因としてはサーバの設置場所に関係します。
近年、コストなどの問題を考えたうえで各会社のサーバを都市外のIDCに設置するケースが多くなりました。
下記図のように中心都市と周辺とのボトルネック問題は発生しております。
都市周辺のインフラ整備が改善しないと、回線速度低下の現状は変わらないです。

まとめ

本記事は、中国ネットのボトルネック問題について説明いたしました。
中国の現状では、様々なボトルネック問題が存在しています。解決までまだ時間がかかると思います。
現時点の対策としては、できるだけ中心都市の市内のIDCセンターを選ぶほうがいいと思います。

参考資料

海底ケーブル分布図
http://www.cablemap.info/
第1代中国ネットワーク構成図 - CERNET(教育機関を中心に)
http://www.nrc.tsinghua.edu.cn/7_english/Situation1.htm
次世代の中国ネットワーク構成図 - CNGI(進行中)
http://www.cstnet.cn/cngi.jsp?Type=jiegoutu
http://www.nrc.tsinghua.edu.cn/7_english/Situation3.htm
中国国内ネット速度調査の元記事(CNNIC)
http://research.cnnic.cn/html/1295604366d2571.html
中国のIDC事情について
http://www.impressrd.jp/idc/story/2007/01/05/130?page=0%2C0